小説
□暗黒物質
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7月7日
空の上で年に一度の逢瀬を楽しむ2人なんて、この娘には関係なかった
ある昼下がり、少し汗ばむ陽気の下で神楽は走り回っていた
「アネゴー!!どこにいるアルか?お願いがあるネ!」
「あら、神楽ちゃん。そんなに急いでどうしたの?」
「ケーキの作り方を教えてほしいアル!」
神楽は新八の姉であるお妙に、ケーキ作りの指南を申し込んでいた
「あらあら、ケーキが食べたいの?だったら、ケーキ屋さんに行って買ったほうが早いわよ」
「違うアル…。誕生日の…ケーキを誕生日プレゼントにしたいアル!」
「まぁ神楽ちゃんったら乙女ねぇ。わかったわ!手伝ってあげるから、一緒に作りましょう」
「わぁーい、アネゴ!ありがとアル!」
神楽はつい先ほど、新撰組の山崎と道で会い、話の中で明日は沖田の誕生日だと知ったのだった