小説

□ある昼下がり
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―ギャンブルのない人生なんて、わさび抜きの寿司みてぇなもんだ―



とある昼下がり、仕事をまた首になった俺は賭場に行って稼ごうと、歩を進めていた

(今日は天気がいいなぁ〜。はぁ…俺は何やってんだろ…)

「あれぇ?長谷川さんじゃん。どこ行くの?」

急に聞き覚えのある声に思考を遮られ、現実へと引き戻された

銀髪の侍
綺麗な髪は風に揺れている

「おぅ。ちょっと賭場まで仕事しに行こうと思ってな」

「へぇ〜奇遇。俺も同じとこ行くの。じゃあ一緒に行こう」

少年のような笑顔でコイツは笑う
戦場で見せるあの気迫は微塵にも感じられなかった

「おいおい、わざわざ原付押してまで歩くこたぁないだろ。先行ってろよ、後から追い付くからよ」

「え?いーじゃん。たまにはのんびり散歩しながら歩こうぜ」

「変な奴だな」


他愛もない話をしながら、2人で賭場に向かった
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