一学期
□だらだら
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ゴロゴロ…
ゴロゴロ…
太子は寝てるけど、僕はもうだいぶ前から起きていた。
時間は多分昼位。
初夏の暖かな日差しが差し込み、住宅地特有の静けさがある。
もっとも、ここは6階だからかもしれないけど。
太子は何度も寝返りをうっている。
僕はゴロゴロ転がって、天井みたり、ベッドの下に落ちているメガネを拾い上げて掛けてみたりした。
体がちょっと汗ばんでて布団がぺたぺたくっついてくる。
つまんないなぁ
僕は転がって太子の背中に視点を合わせた。太子の背中に指で文字を書いてみたり、昨晩つけた爪痕を撫でてみたり、キスしてみたり。
起きればいいなぁとか思っていたけど、くすぐったそうに背中をふるわせただけだった。
ダラダラした生活って面倒くさいと思ってしまった。
太子は寝てるし。そりゃぁ今まで不眠不休でやってきたんだからわかるけど、昨日あんなにやったんだからもう起きてくれたっていいじゃないか。
ゴロゴロ…
ゴロゴロ…
だけども変化が訪れた。
僕が思いあまって太子に抱きついたら太子の両腕に包み込まれていたんだ。
「太子?」
「ん?あれ?妹子が起きてる?」
「僕は起きてましたよ」
「変だなぁ。妹子が寝てたから、私、妹子の背中に指で絵とか書いてみたりキスとかして起こそうとして…こっち向いてきたと思ったんだけど」
目をこすりながらそう言った。
「太子今まで寝てましたよ。」
「何っ!?じゃぁ今の夢!?」
「だけど僕が太子の背中にキスしたりしてました。」
「えっ!じゃぁ私たち同じ事してたの!?」
確かに、そうなるな。
「だから僕たち同じタイミングでこうやって…抱きしめあってるんですかねー?」
僕はよりギュッと太子にしがみついた。
「わー!凄くない?私達って以心伝心!」
太子は僕を抱きしめ、仰向けになってゴロゴロと左右に転がった。
「太子ぃ!うわわっ!」
転がるのをやめたので、僕は太子の胸板に両手をついて体を起こし顔をのぞき込めば、太子に頭を抑えられて体を反転させられた。太子が今、僕の上にいて、キスをしている。
「んっ…」
僕は目をつぶって太子のキスに答えるように舌を出し、角度を変え、太子の首に腕を回したり、両頬に手をはさんで見つめあってまたキスをした。
「お芋なのにセクシーだね」
「なんですか、お芋って。失礼ですね」
「まぁまぁ。あ、今何時?」
「知りませんよ」
「ねぇ、良い?」
「お昼ですよ」
太子は僕の胸を人差し指で撫でた。
「関係無い無い。朝から晩までお淫ら三昧なんて、素敵な響きじゃないか。」
「そうとは思わなえけど…えぇ!?晩まで?」
「パッヒョイパッヒョイ!」
それってハッスルなんじゃ…と思ったけど、太子がまたキスをしたからどうでもよくなった。
そして僕は太子の背中に腕を回して身をゆだねることにする。