Main☆Story

□愛しさの帰る場所
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『ヒョン!!』


「チャンミン、元気でやってるか?」



久しぶりに聞くユノヒョンの声
電話越しなのに
なんで
こんなにセクシーなんだろう


『はい。スタッフの方もみんないい方で』


「そうか。お前のドラマ楽しみだな」


ユノヒョンとのつかの間の他愛もない会話をこんなにも楽しみにしてる自分がいる。


ドラマ撮影のためとは言え
こんなに長い間みんなと・・
ユノヒョンと離れた事なんてないから・・


ドラマ撮影は楽しいしいい刺激にもなる

何より自分が主人公のドラマだから頑張らない方がおかしい




でも・・ドラマ撮影が終わって一人ホテルの部屋へ戻ると ふと 淋しさが襲ってくる



僕ってこんなに弱かった?


きっとユノヒョンのせいだ



こんな僕をユノヒョンは壊れやすいガラスの宝物のように大切に扱うんだ


『僕は女の子じゃないよ』

そう言ってもユノヒョンは微笑んで


「俺の大切なチャミ・・」

って甘い声で抱きしめてくれる


そんな事されたら

その温もりから抜け出せなくなる

あなたから離れられなくなってしまうよ・・・ねぇ・・ユノヒョン


そんな事を思いながら電話口から聞こえるユノヒョンの甘い声に耳を傾ける



『ねぇ、ヒョン18日なんだけど』

「あ・・」

今まで楽しそうに話していたヒョンの声が曇る


『どうしたの?』


「チャミナ・・ごめん。18日仕事がずれこみそうで・・そっちへ行けない」



『あ・・・そうですか・・うん、大丈夫ですよ』

全然大丈夫じゃないくせに。

18日は僕の誕生日
一緒にこっちでお祝いをするはずだった

何より本当はヒョンに会いたくて仕方ないのに・・・



「チャミナ 本当にごめんな・」
電話の向こうであなたが悲しい顔で謝ってる姿がわかるから・・


『本当に大丈夫ですよ。ヒョン』
心配かけたくなくて強がってみせる。



『うん、次は二週間後にそちらに戻ります。そしたら一緒に日本ですね』



次のスケジュールを確認し合い撮影の時間だからと電話を切ろうとした僕にヒョンは


「チャミナ・・会いたい・・お前を抱きしめたいよ・・」




『ユノヒョンっ・・』




ヒョンの

あまりの切ない声に胸が締め付けられ

これ以上言葉を発してしまったら


きっと泣いてしまいそうだったから


僕はそっと静かに電話を切る事しか出来なかった



そして自ら切った電話を暫く見つめ

さっきまでヒョンの声が聞こえていた電話口にそっと唇をおとした。



(ヒョン・・・僕も・・あなたに会いたい)
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