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□社恋・九条環 緑色した目をした魔物に とりつかれし者
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話が盛り上がる2人。それとは対照的に 置いてきぼりな 僕。


はぁ〜全く…どっちが彼氏なんか わからへん。





「きみら距離、近すぎや…」

バーカウンターの椅子ごと 彼女を自分の方に引き寄せ、後ろから抱きしめる。



 がるがるがるがるがる〜

ヒロインを抱きしめ、創はんに軽く威嚇する 今の僕に効果音をつけたら…きっと、こんな音がするやろね。

嗚呼…幸せや。
創はんには ちょいと嫉妬してしまうけど、今 幸せや。

僕は1度、彼女を見失ってしまったのやから……。




彼女が
好きで好きで好きで好きで…

不器用な僕は あの日。
自分の気持ちに やっと気がついた。


付き合っていた女優とは別れ、やっと これで自分の想いを伝えられると思ったら


彼女は僕の前から 消えていた。
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最初、僕目当てではなく珍しく真面目な子だと思っていたら…

まぁ それよりも先に綺麗な子やのに、着物の選び方も着こなし方も残念な子やな。って君を一目見た時から 気になってたから──

初めからきっと 君に惹かれてたんやね。


なのに

それが全て仕事の為に、僕の目の前に現れはったんか…と、まるで裏切られたような気持ちになり

それでも君と過ごしてるうちに それも誤解だと分かったんや。
けれど、創はんとの仲睦まじい関係を見せつけられる度にイライラした。

いや、2人は普通に信頼しあえる仕事仲間としての 先輩・後輩としての 絆だとは 頭では理解していた。

だけど、彼女の柔らかい微笑みが 創はんに向けられる度に 2人の確かな絆を感じ取れ…どうしようもなく、僕は嫉妬していたんや。

だが、あの頃の僕はその感情が嫉妬だとは まるで無自覚で…そうだと気づくのに時間がかかった。






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