another

□唇から溢れる言葉は まるで媚薬のように…
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只今、22時。
もはや俺達しか居ない オフィス




企画書に添付する資料を 俺の机まで持ってきて、そのままチェックする俺を見つめてる。君。


『創先輩…。どう…です、か?』

あまりにも、不安そうに揺れてるその瞳が 可愛くて…
ちょっと 悪戯心が芽生えた。



「ここ。」
机の上の資料の一文を 人差し指でコツコツと叩いて示す。

それは何でもない、些細な変換ミス。俺の手元を覗き込む不意を突いて、
その腕と腰を 引き寄せ後ろから抱きしめた。


『 えっ…。創先輩!? ちょっ』

びっくりして、慌てて振り返るヒロインの唇を奪い


「虎之介って…呼べよ。
 もう俺達、2人だけだぜ?」


キスだけで、蕩けたような表情を見せる顔が、その瞳が…俺の加虐心を 刺激すんだよ。




『でも…
「オフィスで…俺の膝の上に 堂々と座ってるのは、誰だよ?
名前呼ぶ位、何でもないだろう?」

耳元で囁く度に
首筋に濡れた唇が、かする度に
ぴくりと躯が跳ね…微かに洩れる吐息が、俺の欲を煽る。


急いてるつもりなど、けしてない…はすだが、俺が外していく胸の釦がプチプチと立てる音に
隙間から次第に露になる肌に ゴクリと思わず生唾を 呑み込む。


手を 滑り込ませ…
柔らかい膨らみを 揉みしだきながら、チュッチュッ…と何度も わざとリップ音を立てて、首筋に吸い付けば



『虎…の……すけ…』

甘美な溜め息が
      零れ堕ちた……。


堪らない──────。





焦らしていたのは俺のはず。主導権を握っていたのは 俺のはず。
なのに……焦れて先に我慢が効かなくなったのは 俺の方。




くるりと彼女を此方に向く様に回し、机に押し付ける様に…その白い首筋に噛みついて、ストッキングを 指先で引き裂いた…。


「もう こんなに濡らして…」

下着の上から、その濡れた場所をなぞる指を中へ這わせると 既にとろとろに蕩けた内がピクピクと嬉しそうに俺の指を呑み込み奥へと誘う。
その淫らに 甘く誘うイヤラシさに堪らず貪るように 強く強く 吸い付いた。




我慢出来ない…
君をバリバリと喰い尽くして…骨すら残らないほど、俺のものにしたい───。




『ぁあっ…!』
彼女が仰け反り、机の上の書類が
バサバサと音を立てて、床に落ちた。




『書…るぃ… が……』
「後で拾えばいい。」



『だっ…誰か…、来ちゃ…う…』
「見せつければいいさ。」


彼女を求める気持ちを
もう止める事など…出来ない。
彼女の甘く淫らに乱れる
この姿を見せたくはないが、普段柔らかい笑顔で皆を魅了する 清楚で可憐な彼女を俺だけが、こんなに妖艶に、淫らに 掻き乱す事が出来るのだ──と、知らしめたい。


歪んだ独占欲。



『あっ…ぁぁぁぁぁあああんっ』

机の上に押し倒して
一気に、彼女の中に突き挿れれば
彼女の中は、ギュッと締まり持っていかれそうにになる。


快感と同じく俺の胸も 同時に甘く締め付けられ…軋む。
君は知っているのかな?


俺が どれだけ君にハマり、君を好きで好きでしょうがなくて…愛してる事を。




彼女の柔和な雰囲気が、愛らしい笑顔が、壁を瞬時に取り払い人々を魅了してしまう。

それに好感を持ちながら…も
酷く蝕まれる俺の心。



仕事仲間としては、頼もしく…尊敬している。
だが、恋人としては……我ながら嫌になるくらい嫉妬してしまう。




今まで…仕事だけが一番だった俺の驚くべき変化──。

まったく…女なんて、煩くて面倒くさくて仕事の邪魔でしかなかったのに…
こんなにも俺を 変えちまった。


今じゃ…ヒロイン。
君が居なきゃ、反対に仕事が手につかない。





君の唇から零れる言葉は、まるで媚薬のようで…俺の鼓膜を侵す。


いつも 君に 恋してる──。






            fin



次ページに、オマケの続き?  〜fragrance〜
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