双子

□君が恋しい
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手をあと
ほんのちょっと伸ばせば

君に届く…



だけど
君を目の前にしながら


君に触れる事が
      出来ない…。








君は 雅季の恋人だから…







だけど
君に 触れたい。


君に 優しくキスしたい



俺の腕の中
 君の香りを
    かいでいたい…。








君に
触れてしまいそうだから



両手を
ポケットの中に入れて



ギュッと拳を握った…。









何故 雅季なんだろう。
俺らは 双子なのに…









君の瞳には
雅季しか 映らない。

      映さない…。








なのに
君が そこにいるだけで


君の香りが立つだけで




俺の心は かき乱される。







これだけ
拒絶と誘惑を
ごちゃ混ぜにされたら




聖人君主だって
   おかしくなる…。






君を前にすると
欲望にいたぶられる。







俺は 目を片手で塞ぎ
     天を 仰いだ…




「参った…

  ヒロインが 恋しい 」









たとえ 雅季のものでも…











多分 初めて会った時から
君に 恋をしてたんだ…






じゃなきゃ…
 動揺して




君を
 怒鳴ったり
  なんかしないよ…







幼い頃から
使用人に囲まれて 育った俺が…



メイドに
着替えを見られても
平気な 俺が…




動揺して…
 怒鳴ったりなんか…
     しない…ぜ…?









君が 雅季と抱き合うのを
見る度に



胸が かき乱される…





苦しい……








君が 恋しくて仕方ない。










今宵も 月を仰ぐ




君は あの月だ…


手が届きそうで…
     届かない…





















 

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