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□ムシウタ小話@
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虫…それは人に寄生し、人の夢を喰らう怪物である。
そんな虫に寄生された人は虫憑きと言われ、公表では存在しないものとされている。
かっこうはそんな虫憑きの一人である。
彼は虫憑きを存在しないものとする為、虫憑きを捕獲、管理する特別環境保全事務局、略して特環に所属している。

「やあ、そんな所でなにをしているのだ?」

特環の自室でぼーっと突っ立っていたかっこうに、黄色いかっぱにアメをくわえ、アイスホッケーのスティックを背負った少女…獅子堂戌子が相変わらず偉そうな口調で聞いた。
彼女も虫憑きである。

「別に…なんでもねぇよ。」

戌子の問いにかっこうはそっけなく答えた。

「嘘はよくないのだー。何か隠してるのはバレバレなのだー。」
「だからなんでもねぇって…って、なんでお前は俺の部屋に勝手に入って来てんだ?」
「何か問題でもあるの?」
「お前はプライバシーという単語を理解して来い…」

そんな会話を続けていると、また部屋のドアが開いた。

「二人仲良くやっている所に失礼だが、任務が入った。敵は毎度の如くむしばねのみなさんだ。場所はCにでも聞いてくれ。では、頼んだよ。」

いきなり入ってきて言いたいことだけ言って出て行ったのはかっこうや戌子が所属する特環、東中央支部の支部長である土師圭吾である。
彼はかっこうと長い付き合いで、かっこうが信頼している数少ない人物である。
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