黒蝶奇譚
□ある日の「夢現の物語 織宿」の記録(完結)
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「『我語りて…』!」
七偲が本型のアート夢現の物語 織宿を手に、交渉系の必殺技『我語りて…』を発動させると、辺りの空気が変化した。
七偲が「辺り一面に薔薇の香りが漂う花園」と言葉に出さずに念じると、アート織宿の開かれていた白紙のページに、「辺り一面に薔薇の香りが漂う花園。」と、地の文として文字が浮かび記される。すると、周囲の景色が一面の花園に変わり、辺りに薔薇の香りが漂ってきた。
……どうやら技は成功したようだ。
その手応えを得ると、七偲は技の効果を「本命」に対して使う。
自力で空中に浮かび上がったアート織宿の開かれたページに、新たな文章が記される。「――急に辺りの景色が一変して花園の中にいることに驚いている彼女に、七偲は声を掛けて言った。」(以下、地の文は織宿に記されているもの)。