☆小説(担:桜春)

□我が君はどこだ?
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「…そ、そうですか。…皆さん、我が君のためです。やりましょうか」

皆、“魔術師”がそう言うので、渋々了解してしまった。


〜現在、“塔”では〜


〈そっちは見付かったかい、魔術師=H〉
「いや。そちらはどうだい、人形使い=H」
〈見付からないよ。全く、何処に“隠れて”いるんだろうね、僕らの主は〉
「我が君は、隠れるのは得意だからな。そう簡単に見付からないさ」

「我が君は一体何処にお隠れになっておられるのか」「急いでも仕方ありませんよ、“伯爵夫人”(グラーフィン)。きちんと探さなければ見付かりませんよ」
「…そうじゃの。じゃが、魔術師≠謔閧ヘ先に見付けたいのじゃ!」
「(子供みたいな理由ね)」「(…オタクら、ウザいよ)」



「さて、折角ローマに来たんだから、前にアイザックに教えてもらったフィッシュ・アンド・チップスの美味しい店に行こーっと(喜々)」


〈こっちは見付からなかったよ、イザーク〉
「全く、何処にお隠れになっているのか」
〈まさか、前みたく何処かに行ったんじゃ〉
「…有り得るな」
〈今頃は、ボヘミア公国辺りにでもいるんじゃない?〉「いや、違うな。その国は前に一度訪れておいでだ。おそらく、教皇庁かアルビオン、ヒスパニア王国のどれかにいらっしゃる筈だ」
〈(流石執事)なら、氷の魔女£Bに伝えておくからね〉
「頼んだぞ、人形使い=v


「あっ!ここだここだ!すいませーん」
「いらっしゃい、お客さん。何にしますか?」
「フィッシュ・アンド・チップスを一つ、いや二つ下さい。酢の塩(フィネガーとソルト)をたっぷりかけて」


〈イザーク、あの人の居場所がわかったよ〉
「ほう、何処だったかね」〈敵地のど真ん中。ローマに居るみたいだよ。全く、何でそんな所に行ったのかな?〉
「おそらく、前に教えて差し上げたフィッシュ・アンド・チップスの美味しい店に行かれたのだろう」
〈はぁ〜。僕は疲れたから、君があの人を迎えに行ってよ〉
「始めからそのつもりさ」

「ああ。美味しかったぁ。満足満足v」

その頃カインは、お腹一杯で満足していた。
が、店の者は、致死量でもいい位の酢の塩をかけてフィッシュ・アンド・チップスを食べた青年を呆然と見ていた。
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