過去小説2
□王子と商人Z
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ここは、とある一人の王子が政権をほぼ握って成り立っている国である。
平和すぎて暇を持て余していたが、最近王子は初めての側室を向かえたのだった。
今日も王子はその側室と安らげる時間を共有していた。
「今日は何を僕にくれるの」
「今日は野菜なんですよ。ラディッシュと、カブが旬なので」
「じゃあディナーに使わせようね」
王子は玉座に腰掛け、その膝の上に最愛の側室を乗せながらじゃれていた。
だが王の入室により、二人の甘い雰囲気は壊されてしまう。
「ささ、こちらへ。歓迎しますぞ」
王は誰かを連れてきたようだ。
王子は面倒臭そうにそちらを見やった。
「失礼します…」
「お招き頂きありがとうございます」
連れてきたのは王子やその側室と年の変わらぬ少女と青年だった。