小話
□tear of little rabbit
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†reminiscence†
「もう止めろ!」
悲痛な叫び声を上げ、綱吉は骸に銃を向ける。
だが骸は怯むどころか、不敵な独特の笑みで綱吉を振り向いた。
「おやおや…銃を向ける相手を間違えてますよ。僕は味方です」
「間違えてなんかいない…止めるんだ、骸」
照準を骸の額に合わせ、綱吉は最後通告をした。
だが、骸は笑みを絶やさない。
「僕を撃ちますか?良いですよ。出来るものなら、ね」
その言葉に、綱吉は引き金に力をこめた。
ガウン!!ガウン!!
しかし倒れたのは、綱吉の方だった。
「……はっ」
滝のように額から汗が流れ落ちる。
それには目から溢れる温かいものも混ざっているようだ。
骸はベッドから下り冷や汗でべたつくシャツを脱ぎ捨る。
最悪の目覚めだ。
着替え終るなり自室を出て、主の部屋へと足を運ぶ。
これは骸の日課だ。