小話

□過去拍手
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†コノ時間ガ、好キ





「おいで」

そう言って両腕を広げれば、甘えるように擦り寄ってくる。

「ご苦労様。疲れた?」
「はい…少しだけ」
「そう」

優しく頭を撫でてやれば、更に額を胸に押し付けてくる。

「頑張ったんですから、ご褒美下さい…」
「いいよ。何が良い?」
「…貴方が欲しい」
「却下」
「え〜何でですか!」
「明日は早朝会議だから」

撫でていた手で軽く頭を叩いてやれば、患部を押さえて不満を顔中で表す。
そんな自分にだけ向けられる表情に、知らず笑みが溢れた。

「…じゃあ、添い寝してください」
「うーん…それならいいよ」
「おやすみのキスも」
「……うん、いいよ」
「ありがとうございます」

そんな他愛のない会話が、とても心地良い。
抱き締める腕を強めれば、嬉しそうに頬にキスをしてきた。

「このまま眠ろうかな…」
「そうしましょう。貴方も休んだ方が良いですから」
「うん……おやすみ」

そう言って約束通り、額に口付ける。
代わりに唇にキスが返ってきた。

「おやすみなさい。綱吉くん…」

久々の会瀬は割りと穏やかで、オレはこの時間が唯一安らげるんだ。
目が覚めればまた離れなければならないけど、夢の中でも一緒にいよう。
願わくば、骸のキスで目覚めたい―……


end
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