過去小説2

□tear of little rabbit†truth
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突然話しかけられた骸は、一瞬きょとんとするがすぐに笑顔になる。

「クフフ…僕が子供ですか。そうですね、そうかもしれません。でも殺しは…悪いことなのですか?」
「当たり前だろ」
「どうして。そう教わってきたからですか?」

こんな返しがくるとは思わなかった。
それが当然だと思っていた綱吉にとって、答えに一瞬詰まってしまう。

「…、相手の立場になって…殺される側の事を考えてみろよ。家族や恋人が悲しむだろ?」
「知りませんよそんなこと。僕にとってマフィアと言うだけで殺すには十分な理由です。相手の事情など関係ない、まあその前に敵だから殺す…間違ってますか?」

当然の事のように骸は言う。
綱吉は複雑な表情で次の言葉を考えるが、溜め息を吐いて話を止めた。
この男はいつもこうだ。
どんなに叱りつけても諭しても、言葉巧みに言い返される。





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