過去小説2

□tear of little rabbit†truth
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自分が人間を殺すことは、人が虫を殺すのと同じ事だといつか骸が言っていた。
『人間が蚊や蝿を、自分に被害が無くても視界に入れば殺そうとする。不愉快だから。自分が被害に合う前に。汚らわしいから。僕がマフィアを殺す時、それと全く同じ理由です』
確かに同じ命を奪う事に変わりはない。
命は皆平等。
そんな事を言う口で、害虫だから殺せと人は言う。
害虫?それは人間にとってのみだ。
なら人間には知恵があるから、偉いから虫は殺しても良いと言うのか。偉ければ殺しても良いと?なら何故哺乳類を殺せば避難する。害虫を殺せば感謝する。
結局は人間のエゴだ。世界の中心は人間だと考える、神を気取った人間の。



「ああ、そうか。お前、殺しを悪い事だと思ってないだろ。子供と同じだ」

一仕事終えた後自室でくつろぎながら、ふとドアの前で警備に当たっている骸に話しかけた。





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