過去小説2
□看病サセテ
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風邪だなんて伝えていないはずだ。それなのに何故自分を看病しているのか。
「遊びに来たら、綱吉くんが色っぽい表情をしてて…そしたら熱があったので勝手ながら上がらせてもらいました。綱吉くん、僕に看病させてくれませんか?」
引っ掛かる表現があったが良いとしよう。心細い今、看病してくれると言うのだから。
綱吉は納得がいったようでありがとうとお礼を言った。
骸は嬉しそうに微笑むと、綱吉の頬に手を当てる。
気持が良いのか綱吉はその手に擦り寄って来た。
「良かった。熱はそこまで高くないようですね」
「ん…でも頭痛い…」
潤んだ瞳で見つめられ、骸は一瞬グラリと理性が揺れた。
それを必死で押し隠し、ゆっくりと頭を撫でてやる。
「もうお昼ですけど…何か食べられそうですか?」
「…ん。あ、でも、食材無いって母さんが…」