過去小説2

□王子と商人Z
3ページ/7ページ


「以前は我が父のお誕生日に来てくださり感謝します」
「ちゃんと耳付いてる?ああ、それとも頭が悪いの。僕は何しに来たか訊いてるんだけど」


王子こと雲雀恭弥は、本来王がしか座る事が許されないはずの玉座に堂々と座したままそう言った。


「おやおや。相変わらず不機嫌ですね。カルシウム不足ですよ」
「綱吉様は王子の世話係か何かなのですか…?」


雲雀と話す骸とは逆に、凪は綱吉に話しかける。
可愛らしい王女に話しかけられ、綱吉は緊張して顔が赤くなった。


「あ、えと、つ、綱吉でいいですよ!!様だなんて、オレ、商人ですしっ」
「クフフ…やはり可愛いお方だ。どうです、凪の花婿になりませんか」
「何馬鹿言ってるの。綱吉は僕のものだよ」


その言葉を聞いた骸は、笑顔を顔に張り付けたまま停止した。





次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ