過去小説2
□王子と商人Z
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「あ、王様!お客様ですか?」
「おお、ツナ。お前にも紹介しようぞ。隣に住まう王子と王女だ」
「はじめまして。私、凪と申します」
「兄の骸と申します」
「あ、沢田綱吉です!」
王女である凪は可愛らしくドレスの端を摘み一礼し、王子である骸は右手を胸に当て軽いお辞儀をした。
側室の綱吉は慌ててぺこりとお辞儀をする。
「クフフ…可愛い少年ですね。どうですか?僕の城へ来てみませんか」
「お兄様…こちらの国の王子へ挨拶がまだです」
「おや、すっかり忘れていました」
「いらないよ。何しに来たわけ」
王子は邪魔そうに骸と凪を睨んだ。
王はそれを咎めるが、骸や凪は全く気にしていないようだ。
「お久しぶりですね。雲雀恭弥」