過去小説2
□温もり
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胸に抱き込まれているため、雲雀の顔が見えなくて声をかける。
だが帰ってきたのは小さな欠伸混じりの返事だった。
「…あの、ヒバリさん」
もう一度声をかけた頃には、規則正しい呼吸が聞こえてきた。
返事がないところから、寝ていると綱吉は思った。
(あれ…ヒバリさんって葉っぱが落ちる音でも起きるんじゃ…)
綱吉はふと疑問に思い、少しみじろいでみた。
すると綱吉を抱く雲雀の腕に力が込められる。
「大人しく抱き枕になってなよ」
どうやら起きていたようだ。
雲雀は更に綱吉の柔らかい髪に頬を擦り寄せ、抱き直す。
「眠るんですか?でもまだ昼間…」
「いいじゃない。お昼寝」
寝言のように話す雲雀を見て、綱吉は大人しく一つ頷いた。
「良い子は嫌いじゃないよ」
「へへ…おやすみなさい。ヒバリさん」