過去小説2
□温もり
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雲雀は布団を被ってベッドに座っている綱吉のとなりに腰掛け、片手に持っていた缶を綱吉の頬に当てる。
「…!あ、あったかい…」
「君が好きだと思って」
雲雀から渡された缶に書かれている文字は“おしるこ”だった。
「…ありがとうございます」
「1000円ね」
「高ッ!!!!」
「冗談だよ」
そう言って微笑む雲雀を見て、綱吉は背筋に別の寒さが走った。
「まあ飲みなよ」
「…いただきます」
缶を開け、一口飲んだ綱吉は嬉しそうに微笑む。
「あ、美味しい。でもちょっと甘すぎますね」
「文句があるわけ」
「な、ち、違いますっ…ただ、思ってたより甘かったから…」
綱吉は慌てて言い訳をするが、雲雀は聞いてなどいない。
上着を脱ぎネクタイを緩め、綱吉の布団の中に滑り込んできた。
「ヒバリさんも飲んでみます?」