小説4
□サンタさんがやって来た
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「おかしくないよ。あ、それよりさ…君、サンタが欲しいって言ってたよね」
サンタは急に怪しい笑みを浮かべ、綱吉との距離を詰める。
「い、言ったけど…な…なんだよ…」
「…うん、僕好み……いただきます」
「うわぁっ…ちょ、な…何すっ…!!」
サンタはそう言うと、髭とサングラスと白髪のカツラを外して綱吉をベッドへ押し倒した。
「…あ……」
綱吉はサンタの素顔に驚いた。何故なら、男の自分でも溜め息が出るほど綺麗で精悍な顔立ちをしているのだ。
その鋭利な瞳に見つめられると、目が反らせなくなってしまう。綱吉は見惚れて、動けなくなっていた。
「…ん……」
雰囲気に流されて、綱吉は降りてきた唇を拒まずに受け入れた。最初は下唇を食むように何度も触れるだけのキスをする。すると綱吉が息を吸おうと口を少し開くと、その隙間から舌が侵入して口内を泳ぎ始めた。
「はっ……ん…っ…」
綱吉が甘い吐息を溢すと、サンタがやっと唇を離した。そんなサンタを、綱吉は乱れた息を整えながら見上げる。
「どうしよ…惚れちゃった」
「………へ…?」
「僕の本名は雲雀恭弥。君は?」
「え…ぁ…沢田、綱吉…」