過去小説2
□温もり
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「寒いぃぃい〜…!!」
そう言った綱吉は体を丸める。暖を取ろうと必死のようだ。
今日は一段と底冷えが身に染みる。
折角の休日だというのに、綱吉は布団の中から全く出ようとしない。
「今夜にでも雪降るのかなぁ…」
そう思った綱吉は、ふと窓に目を向けた。
「やあ」
「ひ、ヒバリさん!?」
そこにはいつもの学ランではなくスーツ姿にマフラーを巻いた雲雀がいた。
「な、何しに来たんですか…?」
「僕が来ちゃ悪いの」
「めっそうもございません!!」
綱吉は慌てて謝る。
だが雲雀はさして気にする事もなく部屋に入りマフラーを取った。
「ヒバリさん…喪服ですか?」
「うん」
誰の?とは怖くて聞けない綱吉は、出かかった言葉を飲み込んだ。