空色の冒険
□第四章
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「いらっしゃい私のお友達!」
「らっしゃい!見てってー!」
アッサラームは別名商人の町って呼ばれてる。世界中から商人が集まってここでバザーを開いたりしてる。商家に生まれて育ったアミーにとってここは楽園だった。
「きゃー見てみて!!こんな物まで売ってる!!」
アロウたちにゴールドパスを横取りされて以来ずっと不機嫌だったアミーだけど、ここに来て機嫌が直ったみたい。俺はちょっと気にしてたから少し安心した。
「最近ずっと口癖の様にすごろくーすごろくーって言ってたのが嘘みたいだね」
「あ〜ゆ〜のが単純って言うんじゃない〜?」
「なんか言った?」
「な〜んにも?」
アミーが誤魔化したソモエの頭をぐしゃぐしゃってした。
ソモエは特に昔からアミーと仲が良かった。ソモエを助けたのが・・・アミーの親父さんだったからかな。
ソモエに両親はいない。浜辺に倒れてた所をたまたま仕事で通りかかったアミーの親父さんに助けられた。アリアハンに連れて行き、城の、子どものいない武道家夫婦に引き取られた。お城の航海士たちによれば潮の流れ的にランシール地方、またはネクロゴンド地方から流されて来たんじゃないかと言われてる。
俺らが6歳ぐらいの時かな。それからアミーがソモエの様子を見に行くのについて行ったのが仲良くなったキッカケだ。アリアハンに流れつく前の記憶はほとんどないらしい。だから少しでも故郷のことが思い出せればと思って俺はソモエを旅に誘った。
「で、どうしよっか。武器とか一通り買い換える?」
「その前にどうやってイシスに行くの?」
ミウの質問にみんな言葉に詰まった。魔法の鍵があると言うイシスまでは砂漠を通らなくちゃ行けない。とてもじゃないけど人の足では無理だ。
「まぁなんにせよ水と食料は確保した方がいいんじゃない〜?」
「そうだな」
「んじゃお金が余ったら武器たちを見て回ろっか」
全員が合意し、とりあえず水と食料を買い出しすることにした。
ここで発揮するのがアミーの値切り術。巧みな話術で出来るだけ品物を安くしてもらう。
「えっこんなのが50G!?たっかーい。悪いけど他の店行くわ」
「あぁちょっと待って!じゃあ46G!」
「そんなの負けた内に入るの?おっさん心の狭い人間ねー」
「じ、じゃあ43!これ以上負けられないよ!」
「あ!あのお店1つ41Gだって!行こっか、ショウ」
「わ、わかった!!40でいい!!」
「おっさんって心のあったかーいひろーい人間なんだねー」
ほとんど脅してる感じだけどおかげで今までお金に苦労してない。
一通り水と食料を買い込むと、アミーは俺とソモエを荷物持ちにして、続けて武器防具屋に入った。
「う〜ん・・・あんまりいいのないな・・・」
「ここのが気に入らなかったら隣の旦那の店に行きな。でもあそこは夜しかやってないから日が暮れたらね」
「は!?夜しかやってないの!?」
「ここをどこだと思ってるんだい?お嬢ちゃん。眠らない町、アッサラームだよ?」
「しょうがないね。夜まで待とっか」
「俺早く休みて〜」
「あぁ宿屋なら町の入り口の所にあった宿屋にしときなよ。あとはどこもかしこも君達みたいな子供にはふさわしくない場所だからね」
「 ? ありがとうございます・・・」
そういうことで俺たちは夜まで宿で過ごすことにした。