空色の冒険
□第三章
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シャンパーニの塔は西と言うか北西にあった。かなり遠くてあって、みんなかなり疲れていた。
「ねぇ・・・見て」
「あれって塔?」
「じゃない?」
「やっと着いた〜」
ソモエはその場に座り込んでしまった。無理もないか、ソモエが1番重い荷物を持ってるから。
「あのさ、こんなに疲れたままじゃ賊を倒すこともままならないと思うわけよ?」
「うん・・・」
「だからさ、今日はココで一旦野宿しない?体休ませないと・・・」
「さんせ〜い」
「でも気をつけないと・・・こんなに近くで煙とか立っちゃうと怪しまれるから・・・」
「ミウの言う通りだね。気をつけないと・・・」
はぁ〜・・・とにかく疲れた・・・。
夜は火を燃やさずにミウのメラを灯りにした。ミウは起用に指の先だけでメラを出し、それを持続していた。
「ショウもメラ出来るんだからできるんじゃない?」
「う〜ん・・・難しい?」
俺はあんまり呪文が得意じゃない。力をコントロール出来てないからかもってミウは言ってるけど、ホイミとかは普通に使えるんだよなぁ・・・。呪文と言うより攻撃呪文がダメなのかな?
「そんなに難しくないと思うけど・・・」
「ねぇそれよりこれからどうすんのよ。塔の見取り図とかないわけ?」
「この辺はロマリアじゃ踏み入れぬ地とか言って昔からよく魔物とか盗賊とかが多く住み着いてるみたいなの。だから地図とか作れないみたい」
「ミウ詳しい〜」
「お師匠さまからの受け売りだけどね。シャンパーニの塔は元々エジンベアがこの地に大きな灯台を作ろうとして、半分まで出来たんだけど、そこで魔物に襲われて建設を中止したの。それから魔物とか盗賊とかが住み着くようになったんだって」
「そのとーり!!!」
俺たちはバッと後ろを見た。そには・・・
「キャー!!!」
「ちょっと来ないでよ変体!!!」
「誰が変体だー!!」
「目出し帽にマントにパンツ一丁でどこがまともなのよ!!!それも同じ格好したヤツらいっぱい!!!」
「つ〜かおたくら誰〜?」
「聞いて驚くな!!我こそはこのシャンパーニの塔に先々々々々代ぐらいから住んでるカンダタ様とその一味さぁ!!!」
「あんたが?」
「お前達がここに来た理由はわかっている!!ロマリア王から金の冠を取り戻せとか言われたんだろう!!」
「そうだ。だから話はわかるだろう?金の冠を返せ!」
「へへっやなこった!それよりいいのかい?女の子が大変な目に合ってるみたいだけど?」
カンダタはニヤニヤしながら俺の後ろの方を見た。俺も後ろを向くと、ミウが口を塞がれ手に縄を縛られていた。
「ミウ!!!!」
「お前・・・!!!」
「おいおいそんな睨むなよ〜女の子はちゃんと可愛がってあげるさ!持ち物全部置いてけよ。おっと!どさくさに紛れて剣を抜いたり子分に手をあげたりしたら女の子がどうなってもしらないぜぇ?」
カンダタはいやらしい目でミウを見た。こんなに・・・こんなに嫌な感じは・・・初めてではないけど・・・とにかく嫌だ!!俺は剣を抜こうと手をあげようとしたがソモエが止めた。そして目線をちらっとミウに向けた。ミウは・・・下を向いていた。普通なら泣いてる感じに見える。でも手元を見たら・・・指先から起用にメラを出して縄を燃やしていて・・・
「アミー!!伏せろ!!」
「イオ!!!」